2017年12月13日(水)
クリスマスの祈り
遥か昔のことだった。
豊かな心を持つ貧しい男がいた。
クリスマスの近づいたある夜、男は夢を見た。
友に尽きることのない富を与える夢だった。
目が覚めても、夢は男の頭の中をいつまでもかけめぐっていた。
やがて男は、ぽつりと言った。
「この世にあるどんなものでも、手に入れられるとしたら、いったい何を友に贈るだろう。」
友に買う美しいもの、高価なものを心に描いた男は、微笑んだ。
しかし、男は思った。
「わたしは、このうちのどれひとつ持っていない。
だけど、こんなに満ち足りている。」
そこで、男は考えた。
「本当の豊かさとは、お金のあるなしによらないのだろう。
きっとお金で買えないほどの値打ちのある贈り物があるに違いない。」
夜の静寂の中で、男はクリスマスについて思いをめぐらした。
やがて、男は羽ペンを手にすると、羊皮紙の巻き物にむかった。
「クリスマスの1日目に、君のために喜びを祈ろう。
あふれるばかりの喜びと、心うるおす笑い声を。
笑い声は病を癒し、喜びは魂を高く舞い上げる。
Merry Christmas and God Bless You!!
「クリスマスの祈り」より抜粋
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